【Note】ペンションししくい料理人日記⑥
Noteにも同じものを投稿しています。読みやすいほうでゆっくりお楽しみください
試作して、ダメ出しされて、ちょっとへこむ日。
お疲れ様です。
新メニューに向けて、試作と試食を繰り返しています。
料理って、完成した一皿だけ見ると華やかですが、
その裏はだいたいこんな感じです。
うまくいかん。
今日は、そんな日でした。
鯛の桜色クリームソース、のはずだった

一品目は、
鯛の桜色クリームソース 揚げ牛蒡。
この時期の鯛は、身が引き締まってほんのり桜色。
「これは春っぽい一皿になるぞ」と、わりと自信ありでした。
ソースには、海陽町・ALLY’S FARM 有近幸恵さんの有機紫人参と紫玉ねぎ。
牛乳とバターでクリーム仕立てにして、色もいい感じ。
仕上げに新牛蒡をのせて、見た目も春。
…ここまでは完璧でした。
そして試食。
オーナー:「なにこれ?」
(あ、これあかんやつや)
ソースは薄い。
牛蒡は硬い。
いやでも…と思いながら自分でも食べてみると、
全部バラバラに食べたら美味しいのに、
一緒に食べたら、びっくりするくらい味がしない。
そんなことある?ってくらい、まとまってない。
「ソースならソースで、何がしたいのか決めなさい」
「魚を活かしたいのか、コクを出したいのか」
はい、完全に迷子でした。
阿波尾鶏、今度はいけると思った
気を取り直して二品目。

阿波尾鶏のデミグラス 新玉ねぎ柚子バター。
鶏もも肉にデミグラス。
新じゃが、椎茸、人参で、ちょっと煮込みっぽい仕上がり。
そこに柚子の香りをきかせた新玉ねぎ。
「これはバランスいいやろ」と思ってました。
試食。
オーナー:「柚子いる?なにがしたいの?」
…また来た。
たしかに、デミグラスでまとめたいのに、
急に柚子で和の主張。
自分でも「なんで入れたんやろ」ってなりました。
料理は正直
なんとなく良さそう、で足したものは
だいたいバレます。
そしてちゃんと
「なんか違う味」になります。
料理って、優しくないです。
でもその分、正直です。
それでもやっぱり楽しい
試食して、ダメ出しされて、また考えて。
塩を少し変えてみる。
火加減を変える。
煮詰める時間を変える。
その繰り返しで、
ある瞬間に「これや」が来る。
今日は来ませんでしたけど。
でも、この時間があるから、
ちゃんとした一皿になるんやと思います。
今日のまとめ
・見た目だけでは料理にならない
・“なんとなく”はだいたい外れる
・オーナーの一言はだいたい正しい
そしてもう一つ。
ちょっとへこむけど、やっぱり料理は面白い。
また完成したら、ちゃんと胸張って出せる一皿として書きます。
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